そのまま屋上の階段を上りながら、ケータイを閉じた。 屋上に上がると、もう秋に差し掛かったのか、ぴゅうと風が吹いて、アタシの体の体温を奪う。 「ナオ…?」 小さい声でナオを呼ぶ。 「ナオ〜?」 今度は少し大きな声で。 もう… まったく何なのよ? 自分で呼び出したくせに、まだこの場所に来ていないらしいナオに少し呆れながら… アタシはふぅとため息を着いた。