「おかーさん。ちょっと出かけてくるね!」 かばんの中に財布とケータイ電話といる物だけを詰めて家を出た。 えーと。 確かエリとの待ち合わせはN駅だっけ? そう思い、財布を取り出そうとしたときだった。 あれ…? マナーモードにしていたケータイ電話が、静かに揺れていることに気がついた。 《エリ》 サブディスプレイに映し出されたその文字に、首をかしげながらもケータイを開く。