でも…ほどけることの無いネクタイの存在が、ナオの居場所を探してくれる…。 ギュッと力を込めて引っ張ったネクタイ。 そのせいでナオの顔がアタシへと近づく…。 背の高いナオ。 だからいつも届かない。 だけど今はアタシのすぐ近くにある唇…。 「おい…秋穂…?」 ナオのビックリした声も無視してアタシは背伸びをすると… その意地悪なくちびるに、自分のくちびるを重ね合わせた…―――。