アタシはワケも分からずに、ただその光景に目を奪われるだけ…。



だんだんと近づいてくる男の顔……。


嫌だっ…!


反射的に押さえようとしたアタシ……。



でもそのカラダは誰かによって引き寄せられた。



「バーカ。無防備ムスメが…。」



耳に当たる温かい風…。



近くで聞こえる息遣い…。



全部が聞き慣れた音で…



「ナオ………?」



涙が出そうになった…。