奏の声が好きだった。 自分に合う波長だったのかもしれない。 アンダンテ アレグロ モデラート アダージョ 私の日常は、一定でつまんない速度だったのに、奏の声は速度記号をつけて聞いてしまう。 音楽みたい。 本当に美しいカナリアだったんだね。 ねえ、カナリア。 その美しい声で、音色で、青空を切り裂いて。