「ん?」
「私の本音が分かるなら、教えてよ。私、大学に行きたいの? 就職してお金稼ぎ隊の? それとも石油王と結婚して玉の輿狙ってるの?」
体育座りして、自分の汚れたシューズの先をすりすりと動かしながら笑おうとした。
でもその顔は強張って、きっと下手くそだったに違いない。
「どれも外れ」
「嘘!」
「美空は俺のお嫁さんになるらしいよ」
「なにそれ。ウソツキ」
全く本音が見えていないじゃない。自分の都合のいいことばかり。
「昨日までの美空は悩んでいなかったし、俺が言ったら押し付けちゃうだろうから、未来の予定だけ伝えただけ」
「ああ、予定ね。そうか」
私は何を奏に聞いているんだか。
奏に何を言わせて、自分を納得させたかったんだろう。
「おばさんもおじさんも、美空が頭良かったから大学までの資金はちゃんとあるって言ってたじゃん」
「時と場合によるのよ」
「美空は、学校の先生とか幼稚園の先生とか、ピアノの先生とか、なんか子どもと接しているのが似合うと思う」



