「何度も言ってるけど私」
「就職したいという武田の言葉を信じてあげたいのだけれど、僕は武田の今後のことを考えてどうしても進学のことも考えてほしい」
「……」
「後悔したくない、させたくない。そして武田は強いけれど、もう少し大人が支えてあげてほしい。就職して世間を知ることと自立は、少し違う。僕は、彼女が不安定ながらも強がって生きているのが、アンバランスで時に怖くも感じます」
いつもの、熱血で勢いに任せて話す感じではない。
変なジャージで頭の中まで筋肉みたいな考え方ではない。
先生は、以前私が見なかった大学のパンフレットをお母さんにいくつか見せていた。
お母さんもそれを見ながら、何度もうなずいている。
「僕の教え子で、頭がいい子がいたんです。努力家で――無理して大学に行きました。けれど大学の授業料が支払えなくて、保険を解約して支払っていて……。それに気づけずに頭ごなしに応援してしまった自分を、たまに責めてしまいます」
先生は私を見ながら目を細める。



