うちの執事は魔王さま


その時、地震が起こった。

「なに!?何事!?」

「悲報ですよ姫。この空間が崩れ始め出来てます。」

「え!?うそでしょ!?」

「あー、ほんまやで。今の星集めで魔力使い切ってしもうたわ。堪忍やで、せっかく遊んでくれたのに。2人を元の世界に還す力も残ってへん...」

「嘘でしょ!?こんな所で死ぬなんて絶対嫌だ!」

何とかしてみね!!と彼を揺する。こういう時の峰岸である。我が執事は一応パーフェクト人間、つまりはパーフェクトヒューマンなのである。

たまに人間なのか怪しく感じるのだけれど。

「え?私がですか?何寝惚けたことをおっしゃてるんですか。どうにかするのはあなたですよ?」

寝惚けたことを言ってるのはお前だ。と胸の内で言う。

「無理!どうやって対処しろと?無理難題すぎますよ!峰岸さん!」

「全くこれだから人間は...」

そんな峰岸の一言は崩れゆく瓦礫の音でかき消される。

「いいですか?姫。貴女は何しにここに来たのですか」

私は...............

「何しに来たんだっけ...?」

苦笑を浮かべながら傾げる。

一方の峰岸は額に青筋を浮かべながら例の笑みである。