うちの執事は魔王さま


「え......嘘でしょ...」

絶望から出た言葉ではない。

峰岸はルナににっこりと笑った。

ーーーー言った通りでしょ?

それはそう言われているように感じれた。

勝敗は歴然としている。

狐の子の星は山盛りだが、峰岸の星はその3倍はあった。

「嘘や......あたいがこの『星集め』で負けるやなんて...嘘や......大会も毎回優勝してたんやで...?......ありえへん......あたいが負けたのは魔王様だけやのに......」

地面に手を付けわなわなと震える彼女。

「魔王様...?」

ルナが小さく呟いた。

「そうや。あたいは魔王家に仕える立派な庭師なんや!それにこの遊びは人間にはまず出来ひんもんや。...兄ちゃん一体何者なん?」

「ただの執事ですよ。ワガママお嬢様に仕えている、ね。」

峰岸があの笑みを浮かべた。

ワガママお嬢様とはそして私のことなのか。
さっきの台詞が嘘のような気がしてきた。

「あ、そうだ。狐ちゃんが負けたから私の魂食べないよね!?」

ルナは思い出したように言う。

「元々あんたの魂なんて食べる気なんて更々なかったわ。それにあたいの名前は狐ちゃんちゃう!そんなけったいな名前勝手に付けんといて!あたいの名前はミーシャや!よう覚えとき、小娘!」

この子、みねに侵食されてない!?大丈夫かな!?いきなり辛辣になってない!?