うちの執事は魔王さま


きつく抱きしめていた腕を緩ませて、視線を交わす。

「私をどうか、信じて頂けませんか?私は絶対に負けません。姫の命は何が何でもお護ります。それが...あの方との契約(やくそく)でもありますから」

ルナは涙を拭いてしっかりと頷いた。

それを見た峰岸は柔らかい笑顔をルナに向けて狐の子と向かい合った。

「さあ、はじめよーや!」

ルナの命をかけた戦いという名のゲームは開始の火蓋が切って落とされたのだった。

2人は一瞬にしてルナの目の前から消えた。ほんの一瞬にしてだ。

瞬きをした瞬間に2人の姿は無かった。

辺りを見渡してもその姿は見えることはない。

″星集め″そうか。

ルナは上を見上げた。
そこには満点の星がある。
しかし、あちこちからその光は消えて行く。
あの2人が星を集めていくからだ。

星が散らべく下にはデジタル盤が浮かんでいて同じように時を刻む。

「お願い...みね...」

目を閉じて両手を組み合わせ祈る。

暫くしてアラーム音が空間に響き渡った。

ルナは閉じていた目を開ける。

そこには既に二人の姿があった。