「とりあえず早くあの女狐を見つけて自分の魂を守ってください。あ、紅茶飲みます?」

「いらないわよ、バカ。みねも協力して」

「畏まりました...チッ、めんどくせーな。」

「だから、心の声が丸聞こえなのよっ!」

そうこうして狐の女の子探しが始まった。

「おーい、狐ちゃーん?どこにいるのー?」

「声かければまさか出てくるとお思いなのですか?え、信じられなーい」

『え、信じられなーい』の部分だけ声を裏返して煽ってくる執事。

ルナは無視を決め込んで探す。

森の中やその他の場所をあちらこちら探すも見つからない。

時間ものこり少なくなっていた。

「まだ、見つけてないんですか姫。どんくさ。」

口元に手を当て困ったように言ってきた。

ついでにその手にはうどん。

「うるさいわね!つーか、うどん食うな!探せ!」

「やだなー、そんな重労働したくないんですよ私。姫も食べます?美味しいですよ、コシがあって。軟弱な姫が食べれば多少なりとも強くなりそうですね」

「食べんわ!」

まずい。このままでは自分の命が危ない。

まだ、恋愛もしていなければもっと青春も謳歌していない。

ましてや、このまま変なものが見えたまま意味のわからない空間の中で死ぬなんて御免被る。

「どうにかして見つけないと...」

ふと、脳裏に峰岸のうどんが横切った。

「あ...そっか、その手があった!!」

何かを思いついたルナは峰岸が持つうどんが入った容器を取る。