それからほんの数秒後、視界が眩み出したの同時に激しい頭痛と吐き気に襲われる。

「ぁ、...っ、頭、いた、い」

「姫っ」

蹲(うずくま)るルナを自分の胸元に抱き寄せ安心させるかのように強く抱きしめた。

歪みゆく世界の中、自分を抱きしめてくれている峰岸の暖かさを支えにルナは意識が飛びそうなのを我慢していた。

「...もう、大丈夫のようですね」

頭上から響く心地の良い声。

必死に意識を保っていたためなのか気が付かないうちに先程までの激しい頭痛や目眩などはしなくなっていた。

目を開けていくと視界に広がる世界は学校ではない光景だった。

天井を仰げば綺麗な夜空で周りは森林。
左右に灯籠が置かれておりその先には小さな社がぽつりとあった。

その場所は神秘的に感じられた。

「うわぁ、久しぶりのお客様やん!一緒に遊びましょー!」