20秒ほど経った頃、ルナがゆっくり机から顔をあげた。

「...は...?実践...?」

執事は笑みを浮かべた。



七不思議その1ーーーーー階段の踊り場の異空間



連れてこられたのは3階と2階を繋ぐ階段の踊り場。


「ちょっと、峰岸正気?」

「はい、いつでも私は正気ですが」

呆れて物も言えない。

外は既に陽が沈みかけている。

宵闇が少しずつ私達に迫る。

静かな沈黙が広場に流れた。

「......今回の七不思議、嘘じゃないの...」

中々現れない七不思議に対して嘘なのではないかと疑い始めるルナ。

「待てば分かることですよ」

決してルナの方には向かずただじっと前を見据えたまま放った。