まぁ、中には発狂している生徒もいるのだが。

「あっはは、みんな、すまんな!次こそはちゃんと入ってきてくれるから!あー、先生、あとは頼みました」

(あっはは、じゃねーぞゴルァ...)
ちえみからもれる心の声である。

佐藤先生は教頭と一緒に出ていき、それと入れ違いに入ってきた先生。

黒髪、切れ長の目に銀縁の眼鏡。
白衣にしっかり結ばれたネクタイ。
スラリと長い手足。
顔立ちもいい。

「「きゃぁぁぁあ!!!!!」」

「ぎゃぁぁぁあ!!!?」

女子の黄色い声の中に悪霊でも見たかというほど絶叫した奴がいた。

それは誰か。
私だ。

「はい、皆さん。おはようございます。佐藤先生の後任になります、峰岸龍悟です。担当教科は気分によります」

にっこりと笑う彼。

「ルナぁっ!来たよ!イケメンだよ!!気分によって担当教科変わるって変だけど!!それ込みでイケメンだよ!」

ちえみが振り向きながら嬉しそうに言う。

しかし、ルナは放心状態。

「ど、どしたの...」

ちえみがルナに話しかける。

しかし、返事はない。その代わりに琴音が事情を話す。

「なんか新しい先生見たら、悪霊でも見たのかなぁ。すっごい声あげてこうなったよ〜」

にこやかに話す琴音にちえみは一瞬、琴音が怖いと思った。

「センセイが前にいる時はセンセイの方を見てくださいね?」

知らないうちにちえみの真横まで来ていた峰岸。