うちの執事は魔王さま

気づかぬうちにルナは峰岸の片腕に抱き抱えられていた。

もう片方にはちえみが抱き抱えられている。


「しっかりと掴んでいて下さいね」


「え!?」


心の準備が出来ぬままルナは峰岸に抱き抱えられて廊下に出た。


峰岸はそのまま全力疾走。

ルナ、絶叫。



廊下、走っちゃいけないんだよ…?


心の中でルナは呟いた。


この言葉を吐けば何か言われると思ったのだろう。


「......追いかけて来てますね」


静かにそう言った峰岸に反応してルナは後ろを振り向いた。


そこには確かに峰岸の言う通り、同じように走ってくる人体模型。








七不思議その5ーーーーーー走る人体模型











「...これでは埒があきませんね」


そう呟くとさっと次の角を曲がった。

「み」

「しっ」


ルナが彼の名前を呼ぼうとしたが彼は制した。



ルナは黙る。