「あれ...ル、ルナ...どこ?」


ちえみの声が少し後ろでした。


「え...?ど、どこって...今ちえみの腕を掴んでるじゃない......」


「......私、捕まれてないよ...?」

「じゃ、じゃあこの手は......」


ゆっくり顔を上げてみれば半分骸骨。半分筋肉。


そう、人体模型であった。



「...うっそ...」



人体模型はカタカタと動き出す。

しかも、何処から取ってきたのか片手には刀が。


ルナは咄嗟に人体模型の手を離してちえみの側へ。


「ほ、ほほほんとにあるのね...!?七不思議...!」



「ちえみ!感動してるのか、泣いてるのか分かんないよ!!!」


人体模型はゆっくり近づいていく。


「に、逃げよう!」


ルナは今度こそちえみの腕を掴んで出口へ向かう。


「嘘っ!?ドアが開かない!」



ドアノブを回して押しても引いてもビクともしない。



恐怖が2人を支配する。



「ルナっ...!」


ちえみがルナの背中を激しく叩く。


振り向けば、すぐそこまで人体模型が迫っていた。



「っ!ちえみ!こっち!」


迫り来る手を避けて、窓際まで逃げてきた。


だが。


「いたっ...」


ちえみの足が絡まって転ぶ。