学校の七不思議というどこにでもありそうな怪談だが、鬼やら人魚やら本当にいるのだろうか…
「な!?な!?怖いだろ!?ルナ好きだろ!?」
そんな詰め寄って言わないでください、興奮するのは分かるけども。
「す、好きとかじゃなくて、ただ、興味あったりするだけだからね?」
「やっぱなぁ!ルナはこういう話は大好きだな!」
「ごめん、お耳が遠かったのかな?もう1回言うよ、好きじゃないんだ。興味があるだけなんだよ、ちえみさん」
「ルナ、それでだ!」
びしっと私に指を向けて言い放ったちえみ。
私の言葉は無視ですか。
「今夜、肝試し行ってみないか?!」
「はぁぁぁあ!!?なんで!!?」
「好きだろ☆」
「☆じゃないよ!てか、なんで私だけ!?琴音は!?」
私が琴音を指させば
「ごめんね、私、習い事あるから」
両手を合わせて申し訳なさそうに言う琴音。
「ちょ、ちょっとルナ?顎がすごいことになってるわよ」
ちえみに言われ我に返る。
どうやら驚きすぎて顎がしゃくれていたらしい。
新たな顔面ができるところだった。
「で、行くだろ?行くな!よし!決定だ!」
ちえみに強制的に決められ、断れなかった私は授業が終わったあと生徒全員が帰ったのを確認してから隠れていたトイレから出てきた。
もちろんちえみも一緒に。
え?なんでトイレ?そりゃ、先生に見つからないように。
先生に見つかったら「早く帰れー」って言いながら校門前に押し出されるんだもん。


