「ウサ子たち大丈夫かな?」
1限目のチャイムが鳴るわずかな時間。景ちゃんは私の席に来て心配そうな顔をしている。
「動物小屋の鍵ってたしか南京錠だったよね?ウサギたちが壊せるわけないし誰かがやったってことかな?」
「………」
「なんか物騒で怖いね」
物騒と聞いて思い浮かぶのは昨日の教室での出来事。誰もいないのに動く机。そして窓も開いていないのに揺れるカーテン。
それが脳裏に焼き付いてしまって昨夜はなかなか寝られなかった。
もしかして鍵が壊されてたのもなにか関係がある?
「お、お化けの仕業かも……」
小さくポツリと呟いた。
「ええ?お化け?急にどうしたの?」
景ちゃんに笑われている。冗談じゃないのに。
「じ、実は昨日ね……」
「うん、昨日?」
あの奇妙な出来事を話そうと前のめりになった瞬間、トントンと2回誰かに肩を叩かれた。
慌てて振り向くと……そこには誰もいない。
「茉莉?どうしたの?」
不思議そうな顔をする景ちゃん。
またまた寒気。絶対にオカシイよ。今確かに肩を叩かれたし今でも感触が残ってる。
それなのに後ろには虚しくローカーが並んでるだけ。



