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「茉莉。今日の帰りどっか寄ってかない?」
その日の放課後。景ちゃんが遊びに誘ってくれた。駅前に新しくクレープ屋が出来たらしいから、きっとそこに行くつもりなんだろう。
「ごめん。私理科のノート職員室に持っていかなきゃ」
「手伝おうか?」
「でもあの先生やたらと雑談が好きだし、また昆虫の起源について永遠に語られると思う」
「あー、それは面倒かも。じゃクレープはまた今度ね」
「うん。ばいばいー」
景ちゃんと別れて私は職員室へと向かった。
やっぱり先生の雑談に付き合うことになって、
4億8千万年前の話とか昆虫の正体は実は宇宙人だったとか内容は面白いんだけど、本当に話が長いことだけは困ってる。
気づけば校舎から生徒たちの声が消えていて、
教室に戻ると窓からは夕焼けが射し込んでいた。



