「イヤだね。なんで俺がこいつを助けなきゃいけないんだ」
そう呆れた顔で吐き捨てた。
「き、霧島くんお願いっ!じゃないと聖が……」
「うう……っ」
「聖!」
その苦しそうな声が境内(けいだい)に響く中でも霧島くんは手を貸そうとはしてくれない。
私はただ聖の背中を擦ることしかできなくて、
時間だけが過ぎていく。
すると再び面倒くさそうなため息が聞こえてきた。
「〝それ〟は他人にはどうすることもできない。その副作用もまた自分で抑え込むしかないんだよ」
霧島くんが聖に向かって言う。
「自分の身体を強くできるのは自分しかいない。それは精神力も含めてな。恐怖や迷いがあればその隙間からすぐに自制心は失われる」
「………」
「まだ迷っているのか?一条」
はじめて霧島くんが聖を名前で呼んだ。
血に支配されるのではなく、血を支配できるようになれ。私には霧島くんがそんな風に言ってるように聞こえた。
そして先ほどの言葉に付け加えるように霧島くんが言葉の続きを言う。



