僅かな沈黙。そして「……う……」と静寂な空気の中で苦しそうな声を出したのは聖だった。
「こ、聖?どうしたのっ!?」
聖は胸を押さえながら身体を丸くしていた。なんだかとても息がツラそうだし、手を触ると火傷しそうなぐらい熱い。
急になんで……。
どうしていいか分からずに、助けを求めるように霧島くんを見た。すると「はあ……」とため息をつきながら冷静な言葉。
「副作用だろ」
「ふ、副作用……?」
「血が暴走すると大量のアドレナリンが放出される。あそこまで我を忘れれば、そりゃ人間に戻った時にはなんらかの支障は出るだろ」
「そ、そんな……」
こんな山奥に病院なんてないし、そもそも人間の病院に連れて行っていいのか分からない。
私が抱えて山を抜けるのは不可能だし、スマホの電波は圏外だし……。
「き、霧島くんっ。聖を助けて!お願い……」
さっきまで争っていた人に言うのはおかしいかもしれないけど、ここは霧島くんにすがるしか方法がない。



