そんな嬉しさも束の間に、いつの間にか後ろでは倒れていた霧島くんが起き上がっていて「ゲホッゲホッ」とむせている。
「き、霧島くん、大丈夫?」
「今度は俺の心配かよ」
憎たらしい言葉が返ってきて、ちょっとホッとしている私。霧島くんはコキコキと首を左右に鳴らしていて、気づくとあんなに深く噛まれていた傷跡がもう塞がりかけていた。
「ひ弱な人間と身体の作りが違うんだよ」
それでもちょっと疲れた顔をしている。
聖の傷跡はまだ治ってないけど、血はほとんど流れていないから聖の身体の治癒力も早いらしい。
「まったく。あのまま噛み殺してくれたらお前にとって一生のトラウマを植え付けることができたのにな」
そう言って霧島くんは立ち上がった。
気づけば辺りは暗闇から朝焼けに変わっていて、もうすぐ太陽が昇ろうとする時間。
不気味だった神社も明るい場所で見ると錆びれているけど、とても立派でまだ鮮やかな色も所々残っていた。



