「……はは、俺が羨ましいだと?そんなはずないだろ?」
薄ら笑いを浮かべているけど、私はそう自分に言い聞かせているように見えた。
「こんなことしてもなんの意味もない。霧島くんの体質だってそういう人間への強い想いから身体が反応して……」
「うるさい!」
霧島くんは私の首を掴んで柱に思い切り押し付けた。
「……うっ……」
ギシギシと強くなる力。私に触れたことでまた霧島くんが八咫烏に変異した。
闇と同化する大きな翼に余裕がない黒い瞳。
「あのふたりにかけた術よりもっと強力なものをお前にかけてやろうか?そしたら人間のお前なんてすぐに……」
「――やめろ!」
神社に声が響いて霧島くんの力が弱まった。
解放された私は声がしたほうを確認する。そこにいたのは……。
「やっぱり俺の匂いを追ってきたか」
息を切らせた聖だった。



