この前使ったんだけどな……あ、もしやロッカーかも!
確認しに行くとやっぱり教科書はロッカーの中にあった。ホッとしたのも束の間に背後からイヤな視線。
「………なにか用?」
振り向くとそこにいたのは霧島禄。全く気配がしなかったしクラスも違うのになんで……。
「たまたま廊下を通ったらお前が見えたもんで」
「へえ。そうですか」
霧島くんとふたりだけの教室。でも今回は隣のクラスに生徒がいるし先生だっている。日中だし、なにかあればすぐに誰かを呼ぶことだってできる。
安心できる要素を自分の中でたくさん探して、
移動教室場所に向かおうとすると……。
――ガタッ。
霧島くんはわざと私の前にある机に足をかけて通させないようにしている。
大丈夫。こんなヤツ全然怖くない。
「近づかないでって言いませんでした?」
ムッとした表情をした瞬間、思い切り髪の毛を引っ張られてその反動で前のめりに。
霧島くんはまるで自分のほうへ引き寄せるように髪を掴んでいて、その距離はわずか数センチ。



