それから学校に着いていつもどおりの授業が始まった。
まだ校則は厳しいままだけど、最初の頃よりはみんな落ち着きを取り戻していて騒ぎ立てる人もいなくなった。
言ってもどうにもならないってことと、この状況に慣れてきてしまったんだと思う。
私は黒板の文字をノートに写しながら窓の外に目を向けた。
電線に止まるカラスはやっぱりいつも校舎のほうを見ていてアレだけはなんとかならないかな。
野生じゃないと知っているだけに居心地が悪い。
「茉莉~?次教室移動だけど行ける?」
そして4限目の始業のチャイムが鳴る5分前。
すでに景ちゃんは廊下で私のことを待っていた。
「ご、ごめん!なんか教科書が見つからなくて」
さっきから机の中を確認して「あれ?あれ?」を繰り返している。
「大丈夫?私先生に呼ばれてるんだけど先に向かっても平気?」
「全然大丈夫!むしろ行って!すぐに追いかけるから」
「オッケー!」
景ちゃんの足音が遠ざかる中で、私は教科書を探し続けていた。



