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「じゃあ、ふたり共コレよろしくなー」
軽快な口調で担任の先生が私たちに雑用を押し付ける。
……失敗した。まさか授業中に居眠りをしてしまうなんて……。
「……ふあ、面倒くせ」
隣では午前の授業をほとんど寝て過ごしていた聖が懲りずに大あくび中。
そう、私たちは罰としてこうして社会科の資料を教材室に運ぶ手伝いをさせられてるわけだけど……。
「珍しいな。お前が寝るなんて」
廊下では生徒たちが食堂に向かったり、すでにお弁当を食べてる人もいて自然とお腹の虫が鳴く。
「……だって昨日あんまり寝られなかったんだもん」
「へえ」
……へえって。一体だれのせいだと思ってるの?
全然興味がないって顔をしてるくせに、なんだか慣れたような手つきで人のことを触って。
しかもキスまで……。
まだあの感覚が消えてないのに本人がこの調子だから本当に夢だったかのような気分。
……しかも私、完全に聖のこと受け入れようとしてた。
あの時聖が途中で眠らなければどうなっていたんだろう。



