嬉しいけど、聖はきっと無意識だ。
嬉しいけど……そんな気持ちは私だけかもしれない。これが同じ気持ちでした行為ならどんなに幸せだろうかと考えた。
「茉莉」
耳元で聖が低い声で囁く。
ズルい……。いつも〝お前〟って呼ぶくせにこんな時に名前で呼んでくれるなんて……。
聖の手がまた私の肌に触れて、唇が重なる寸前……。
パタンッとスイッチが切れたように私の胸に倒れ込む聖。
「え……?」
耳をすますと寝息のようなものが聞こえてきた。
ね、寝てる……?え、今、寝るの?
揺らしても声をかけても聖はまるで子どものような顔をして目を瞑ってる。
仕方なく私は体勢を横にして、聖をベッドへと寝かせた。
さっきまで銀色の髪の毛をしてたのに今は元どおりに戻っていて、まだ熱はあるけど私のほうが現在は熱いぐらいだ。
「……はあ。まったく、もう……」
今はため息ぐらいついても文句は言われないだろう。
乱された服と髪の毛を整えて、私は聖の顔を覗くように目線を同じ高さへ。
「名前……あれも無意識だよね」
――『茉莉』
不覚にもアレが一番ドキドキしてしまった。
結局私はそのあと水枕と氷と額にタオルを置いて。聖の熱が落ち着いた夕方ぐらいまでずっとベッドの横にいた。



