それはゆっくりと上に上がってくる。
昴さんや晶くんとは違う指。とても大きくて長くて優しいけど不器用で。そんな手が私の肌に触れている。
「こ、聖?」
慌ててその指を制止した。
すると今度はじっと私のことを見つめてきて、
まるでその瞳に吸い込まれてしまいそうなほど。
サラサラとした黒髪の隙間から見えた瞳の色はいつもの聖のものじゃない。
それはバイオレットのような青紫色。暗闇の中で獲物を狙うような、まさに狼の目。
ベッドの横のテーブルには薬の空箱が置いてあって、もしかしたら副作用でこうなってしまってるのかもしれない。
「聖!私だよ?しっかりして」
目は開いているのに意識が定まっていないような行動。
私の声も聞こえてないみたいだし、どうしたら……。
「……っ」
そんなことを考えてる間に今度は首筋を舐められた。
ゾクッとする感覚。
それはとても優しくて聖の身体が熱い。何度も何度も唇を首筋を付けて、私の心臓がバクバクと破壊寸前。
聖の身体を押してもビクともしないし、すごく優しく触るから私もヘンな感覚になってくる。



