やた……がらすの……まつえい?
やっぱりただの人間じゃなかったんだって衝撃と八咫烏という聞き慣れない言葉。
私と同じで聖と晶くんの顔も険しくなる。
「八咫烏は昔神に遣えていたカラスのことだよ。神聖な生き物だし、正しき道へ導いてくれると信じられていて信仰している人たちも沢山いたらしいよ」
昴さんが緊張をほどくように柔らかい口調で説明してくれた。
「……そ、そういうのって架空のことだと思ってました」
やっと詰まっていた声を出すことができた。
「はは。でも吸血鬼や透明人間、狼男もみんなからはそう思われているだろうね。でも実際にはこうして存在してる」
「………」
「俺たちはどちらかと言えば西洋のほうだけど。日本には妖怪や神の遣いが他にも沢山いるし、
きっとまだまだ世の中にはいるだろうね」
だとしても霧島禄はなにか根深いものを持ってる気がする。
――『俺は人間が嫌いなんだ』
あの時の目。とても怖くて縛りつけるような目。あれがどうしても忘れられない。



