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そのあと私は約束どおり聖と帰ったけど気持ちはどこか上の空だった。

霧島くんのことを聖に話そうと思ったけど、私自身なにかされたわけじゃないし、三人の秘密を知ってるような発言をしてたけどそれもまだ不確かなまま。

聖に余計な心配はさせたくないし、もちろん昴さんや晶くんも……。


本当に霧島禄は何者なんだろう。

わざと煽るようなことを言って楽しんでるようにも見えるけど、その真意は分からない。


「茉莉ー。ドライヤー上に持っていったままでしょ?」

そして夜。お風呂から出てベッドでゴロゴロしようとしたら1階でお母さんが叫んでいた。


「今持ってくー!」

階段下でドライヤーを手渡しして、またベッドへとダイブ。

明日も学校かあ……。学校がイヤとかじゃなくてやっぱり霧島くんがイヤ。なにを考えてるか分からないし、なにより不気味。

そう、あの奥深い黒目はカラスみたいだ。


もし一条三兄弟のように霧島くんも特殊な血を持っていたら……?だから三人の秘密を知っている?

……考えすぎかな。

とにかくなんだか疲れちゃった。