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そして重たい気持ちを抱えたまま夕方になった。台所ではお母さんが料理を作っていて良い匂いがリビングへと漂ってくる。


「茉莉。これお隣の一条さん家に届けてくれない?」

するとお母さんが作ったばかりの料理をタッパーに詰めていた。


「え?作りすぎたの?」

それにしては量が多いというか、タッパーは全部で三つもある。


「違うわよ。作ったの。今日スーパーの帰り道にたまたま晶くんと会ってね。いつもは昴くんが家事をやってるのに晶くんが買い物してるからヘンだなって思って声かけたのよ」

「………」

「そしたら昴くんが体調を崩して料理が作れないって……」

「ええ!?」


やっぱり昴さん今日の罰則が相当キツかったんだ。もう大丈夫と昼休みの時はそのまま別れちゃったけど……あの昴さんが料理を作れないなんて、よっぽどだよ。

私はタッパーの袋を抱えて、そのまま一条家へとダッシュした。