アイと初めて電話をした日からもうすぐ2週間が経とうとしている。
もう気が付けば7月、緑の葉っぱが太陽に照らされてきらきらと輝いている。今、好きな色を聞かれたらきっと、わたしは迷わずに緑色と答えるような、そんな季節だ。
あのメッセージのやり取りは、実は少しだけ続きがあった。
子猫の名前を尋ねたわたしにアイは
<<まだ決めてないけどハル兄がユウタって呼んだら反応した!>>
そう返してきた。
けっきょく子猫の名前はユウタになったらしい、まったくお兄さんは、なんてことをしてくれたんだろう。
わたしのことをウタって呼ぶ人の方が多いし、両親にすらウタって呼ばれることの方が多いけど、自分の名前が佑歌だってちゃんと自覚している。
だからアイが、
<<今日のユウタすごく可愛い>>
とユウタの写真を送ってくる度に、自分のことじゃないのにドキドキして仕方がないのだ。
アイとのメッセージのやりとりを見て、心の奥がきゅぅっと痛くなる、思わず胸を押さえればとくとくと振動が自分の手に伝わってくる。
馬鹿でしょって自分でも思ってる、だけどこれだけはどうしようもない。
どうしようもないから、一人で項垂れるしかないのだ。
まったく、ほんとうに、どうしてくれるんだ。