今日は何故かテルくんが優しい。
こんなにもあたしを抱きしめてくれたり、慰めてくれるのは昔だと有り得ない話だ。
「…170日経ったら聞いて欲しいことがある。
実衣がそれまで俺が何かを言って離れようとしても……、待てるなら聞いて欲しい」
「…勿論、あたしずっとずっと待つよ。
だからその時が来たら、あたしの言葉も聞いてね。まだ続きがあるから」
「……分かった」
ちゃんとテルくんが好きだって伝えよう。
遠まわしな言い方じゃなくて、素直に2文字の言葉を言うんだ。
「…俺の事、キライって言えよ。
そしたらキスしてやっから」
ぽつり、テルくんが呟いた。
まるであたしが何を言いたいのか知っているかのような口ぶりだ。
驚くあたしを置いて、テルくんは口角を上げた。
「……実衣も、キスしてぇんだろ?」

