―だから、お兄ちゃんが死んだ後あたしはテルくんに言った。
《あたしに近寄る人は皆死んじゃうんだね。
あたしの事好きって言ってくれたお兄ちゃんや、あたしを産んだせいで死んじゃったお母さん。
いつかはお父さんまで…死んじゃうのかなあ》
そんな後ろ向きな言葉に、テルくんは真っ直ぐな瞳で言った。
《例え俺が死んでも、実衣のせいじゃない。
だって俺は実衣がキライだから》
…そうだ。
あたしの言葉を聞いてから、テルくんはキライって言い出したんだった。
呪いみたいな言葉をかけてしまったのに。
あたしはまだ君を好きでいてしまった。
ぼろぼろと零れ落ちた涙を吸い取るようにテルくんが唇を寄せた。

