恥ずかしさで「ううー」と唸れば、問答無用だと言わんばかりにテルくんがお箸を近づけた。


「……実衣食わなかったら、話聞いてやんねえ」

「っそ、それは困る!」

「じゃあ食え」


あたしは顔が真っ赤で今にも湯気が出てしまいそうだったけど、何とかテルくんのささみを一口貰った。

熱を冷まそうと手でうちわのように扇げば、パシャリと聞き慣れた音が響く。
その音にぴしりと固まったあたしは、目の前で愉快そうに笑うテルくんを少し睨んだ。


「…な、何でいつも写真撮るの!? しかもあたしの恥ずかしい一面ばっかり!」

「実衣うるさい」