口ごもるあたしに潤さんは優しく頭を撫でてきた。
まるでお兄ちゃんみたいで、泣きそうな顔を上げると潤さんは携帯をあたしに見せた。



ディスプレイに表示された一件のメールに、ただ言葉を失うしかなかった。


《今夜7時、町外れに来い。宣戦布告をさせてもらう。悪鬼実野族の奴等は全員連れて来い》


「…実衣ちゃんが前に飛澤に連れられてんの偶然見てもうてん。
ほんで助けたるか悩んだけど、下手に手ぇ出して脅されたりしたら、沖宮の二の舞やって桃妃子と話し合って…」

「……潤さん、あたし飛澤さんにテルくんを襲撃するか小鳥遊さんを連れて来るかって迫られて…っ!
それ、で飛澤さんの女になるしか、方法がなくて…」