どの言葉もやはり身に染みて、あたしの心を揺らした。

ぱらぱらとページを捲っていると、170ページで手が止まった。そこに書かれた一つの言葉を赤いペンで囲んであった。



「……“人生において一番辛いことは死ぬことではない。愛する人を置いて死んでしまうことから生まれる後悔や罪悪感、そして守ってやれないことの不甲斐なさである”」


どうしてこれを…?
不思議そうに見つめていたあたしは、ふと“170”という数字に目が留まった。そういえばテルくんも“170”という数字にこだわっていたが一体どうしてだろうか。


「しかも…何かを暗示してるみたいな言葉」


押し寄せてくる何かが怖くて、あたしは現実から目を逸らすように杜禰リマさんの本を閉じた。