考え込むあたしに小野瀬さんが二度頭を撫でてきた。
小野瀬さんのほうが少し身長が低いため、背伸びをしながら手を伸ばしている。
「東さん、沖宮さんはね一人で抱え込んでしまうような人なんだ…。
だから変なこと言って惑わしたりしないであげてね?」
「今明らかにアンタが惑わせたでしょ。沖宮さんめっちゃ考えてたじゃん!」
「え、そうだったの?」
前から思っていたけれど、小野瀬さんって天然なのかなって思う。
きっと彼女に聞けば天然が何かすら知らない可能性があるから、笑って誤魔化すのだろうけども。
他愛のない話に花を咲かせながら、観光地を巡った後、集合場所であるホテルへ向かうことにした。