今まで幼馴染としか言っていなかったから、てっきり気づいていないのかと思った。

小野瀬さんは思い出したかのように手を叩いてにこりと笑った。


「東さん達が初めに話しかけたとき《清水くん》って言ってたから、どんな人なんだろうと思って遠藤さんに聞いたことがあるの」

「え、桃妃子さんに?」

「そうそう。前にショッピングモールへ行った時にね。
そしたら沖宮さんにとって唯一無二の存在で相手も沖宮さんのことしか考えてない、そんな人だって」

「ええ…、恥ずかしい……」


と言うかテルくんがあたしのことしか考えていないのは、ちょっと違うような気がする。

何て言うかテルくんには彼女が出来たことは一度もないし、告白を断り続けているのも知っている。

だけど―…、一人で何かと闘っているような気がするのだ。