それを受け取ろうとすればやはり小野瀬さんが怒った。
東さんが小野瀬さんに言い返して、気づけば笑ってしまう。
そんなやり取りを繰り返したり、朝早くの出発だったために睡魔が訪れて、うとうととしているうちに気づけば沖縄に着いていた―。
「では自由行動に移るが、決して独断での行動はしないように!」
担任の先生の指示を聞きながらあたしは小野瀬さんと事前に決めていた場所へ向かった。
途中で東さんもやってきて、三人で行動することに。
もめる二人を微笑ましい気持ちで見守りながら、あたし達は海を目指した―。
「わあ…、これが沖縄の海……! 見て沖宮さん、砂がさらさら…!」
「本当だ! しかも綺麗な海の色だね!!
コバルトブルーが凄く映えて…」
「ね、ねえよければ写真撮らない? 別に撮りたくないならそれでもいーんだけどさ」
慌てて弁解するように言う東さんに、あたしと小野瀬さんは顔を見合わせた。

