170回、好きだと言ったら。




あの時反抗的な言い方をしてしまったからか小野瀬さんはあたしの方へ身を寄せた。

それを見て明らかに傷ついた顔をする女の子にあたしは小さく息を吐いた。


「小野瀬さん、席交換していい? あたし窓側じゃなくても酔わないから」

「え、いいけど……?」

「それでえっと…、あたしの隣でよければいいよ」


あたしの言葉に小野瀬さんと女の子は目を見開かせた。
どうして佐倉さんといないのかとか色々疑問はあったけれど、ほっとくことなんて出来なかった。


「…うち、あんなこと言ったのに何で平然としていられんの?
あの時物凄く怯えてたのに…」

「確かに今でも…怒鳴られるのは怖いしトラウマだけど……。
今の貴方には…そんなことしないって何となく分かったから」

「!!」

「だから…もういい。あたし、苛められてきたから慣れてるんだ」