170回、好きだと言ったら。




先生に注意された小野瀬さんがとぼとぼとこちらにやってきて、あたしを見るなり「沖宮さん…!」と子犬のように駆け寄ってきた。


「小野瀬さんが遅刻なんて珍しいね。寝坊とか?」

「そうなの…! 昨日楽しみで寝れなくて…えへへ」

「何か小野瀬さんの可愛い一面が見れた気分だね!」

「そ、そんな事ないよ…!」


頬を薄らと赤く染めながら小野瀬さんは否定した。
あたしが小さく笑うと、少し怒ったように頬を膨らませる仕草も可愛らしいと思う。


それから飛行機に乗ると、小野瀬さんがあたしの隣に腰を下ろした。