思い詰めた顔をしていたのか、小野瀬さんが眉を下げて呟いた。


「…わたし、本当に何もしてあげられなくて情けない…。
大事な友達がこんなにも苦しんでいるのに、わたしには分からない世界だから……。
だけど、沖宮さん。必ず助けるよ、だからもう少し待ってね…!」

「小野瀬さん……、本当にありがとう」


三時限目のチャイムが鳴り響いたのを聞いた小野瀬さんは、自分の席へ戻っていく。

あたしはぼんやりと窓の外を眺めた。


「…テルくん」


今、貴方はどうしていますか?
ちゃんとご飯食べていますか…?


そんな時、飛澤さんからメールが届いた。あたしにとってそれはとても残酷なもので、思わず泣きそうになるのを堪えた。



《俺の女になるなら喧嘩も見るべきだ。今夜見せてやるから、絶対に来い。逃げ出したら容赦はしない》