俺は一筋の涙を零して、それが実衣の頬に落ちたのを見ると吸い取るように唇を寄せた。 「……実衣」 名前を呼べば、実衣はふにゃりと笑う。 ――三日前、俺は初めて---というものを聞かされた。 「…俺にはてめぇの兄貴みたいに昔から傍にいない突き放し方が出来ねぇ。 だから、例え嫌われたとしても…170日なんて待ってくれなくてもそれでいい。 さよならだ、実衣―…」