潤さんは「そうかいな」と言って、少しだけ悲しそうな笑みを浮かべた。
「…いつでも此処に来たらええ。
初対面やのにいきなりアイツの話して悪かったわ。
よければまた話そうな」
「いえっ! あたし、お兄ちゃんのことが少しでも知れてよかったです。
お二人とも、お兄ちゃんと仲良くしてくださってありがとうございます。
ずっと…お兄ちゃんが一人じゃないか不安だったので、とても嬉しかったんですよ」
お兄ちゃんのことを話すと、どうしても照れくさいので頬をかきながら言えば、二人は顔を見合わせた。
あたしは今度こそベッドから立ち上がるとそのまま扉を開けて「では」とお辞儀をした。

