それから、美味しいドリンクを飲みつつ、シフォンケーキを半分ずつ食べて、たまにおしゃべりを挟みながら、わりと真剣に勉強に取り組んだ。
久遠くんは古典を、わたしは英語を、それぞれやっつけて、わからないところにぶつかったとき、お互いに訊ねあう方式。
けれども、なんといっても久遠くんは英語のネイティブスピーカーなので、彼がしてくれる説明には、なかなか難しい部分もあって。
ややこしい関係代名詞について聞いたところ、「そんなの俺も理屈なんかわかんねえよ、感覚で使ってるし」と匙を投げられてしまったときは、思わずひっくり返りそうになった。
「んーと……、『男もすなる日記というものを、女もしてみんとて、するなり』」
「うん、合ってるよ。読み方は大丈夫そうだね。その部分の現代語訳はできる?」
「えーと? 『男の人が書いている日記というものを、女の私もしてみようと思う』、……みたいな?」
「そう、すごい、大正解です!」
そういうわけで、英語はいったんお休みして、古典に集中している。
来週から古典の授業で『土佐日記』を扱うらしいので、わたしも便乗して、ひと足先に予習しておくことにした。



