きみは宇宙でいちばんかわいい



「あの、ええと、つまり、久遠くんのおじいちゃんかおばあちゃんに、イギリスの方がいる……ってことだよね?」

「そーそ、グランダ(、、、、)がイギリス人で、ナニー(、、、)が日本人。そのあいだに生まれたのが、いわゆる“ハーフ”の俺の父親な。母親は日本生まれ、日本育ちの、生粋の日本人だから、俺は4分の3が日本人の“クオーター”になんの。あ、ちなみに日本で使う久遠姓は、母方のじいちゃんのところから貰ってる」

「えと、ごめん、なんだっけ、……グランダ? ナ、ナニー?」

「ああ。イギリスのほうのじいちゃんとばあちゃんのこと、日本のじいちゃんとばあちゃんと区別して、そう呼んでるんだ」


あんまり別世界で、というか、半分くらい理解できなくて、あっけにとられてしまった。

ぱちくり、まばたきをくり返し、わかったふりをしてうなずくわたしに、久遠くんが眉を下げて笑った。


「わりぃ、難しいよな。俺も、自分がナニジンなのか、あんまりわかってねえもん」


日本人の両親のもとで、日本人として生まれて、当たり前のように日本人として成長してきたわたしに、その困ったような笑みの本質は、きっと一生をかけても見えてこないのだろう。


「ううん……、ごめんね、わたしこそ、そういうの本当に疎くて。すごく勉強不足だなって、いま生まれてはじめて、反省しちゃった」


久遠くんの持つ、金色の髪や、薄茶色の瞳は、すごく綺麗で、うらやましいと思う。

だけど、綺麗だけでは済まないような困難なことも、彼の人生には、きっとあるのかもしれない。


わたしが久遠くんに対して思う“綺麗”は、たぶん、久遠くんがわたしに言ってくれた“こけし”と、ほとんど同じなのだ。