きみは宇宙でいちばんかわいい



いつも教室では前後に座っているから、隣どうしでならぶのは、なんだか新鮮な感じがする。


「ならんで座ったほうが、勉強みやすいかなって」

「うん、たしかに、そうかも」


いままで飲んだなかでいちばん美味しい抹茶ラテを、ストローでゆっくり吸い上げながら、それとなく右側へ視線をむける。


お洒落な店内に、久遠くんは、驚くほどナチュラルに馴染んでいた。

彼のホームタウンであるロンドンなんかは、きっと街全体がこんなふうに洗練されているのだろうけど、その場所で普通に日常を送る久遠くんの姿を、たやすく想像することができる。


「ロンドンも天気悪い日が多いんだけどさ、日本の梅雨ってヤバイね。比べものになんねえ。気が滅入りそう」


ちょうどいま、その街のことを考えていたので、心を読まれたのかと思って少しびっくりしてしまった。


久遠くんの横顔は、本気でげんなりしているように見える。

やっとお尻を椅子につけたら、ここ数日の雨に対する疲れがいっきに押し寄せてきたのかもしれない。
きょうは本当に久しぶりの晴れの日だったから、なおさら。


あ、ひょっとして、いきなり声をかけてきたのも、天気が理由だったのかな。晴れをねらってのことだったのかも。