きみは宇宙でいちばんかわいい



「あ、そうだ。ひとつ、ずっと聞きたかったことがあるんだけど、質問してもいい?」


軽く手を叩いた朝香ちゃんが、言葉通りなにかを思い出したように、いきなり声を上げた。

そして、周りを気にしつつ、声をひそめて、続けた。


「ななちゃんの、好きな人、についてのことなんだけど……」


そこで、ようやく、シマッタと思う。


いくら平凡以下とはいえ、わたしだって生物学的には“女子”のほうに分類されるのだ。

お昼をいっしょに食べたり、当然のように遠足をいっしょに回ったり、思い返せば軽率な行動ばかりしてきた気がする。

朝香ちゃんに、わたしが久遠くんを好きだと勘違いされていたとしても、致し方ないと思う。


でも、わたしみたいなのが、朝香ちゃんの恋敵だなんて、そんなのめっそうもない。

身分違いも甚だしい。


もし誤解されているのであれば、一刻も早く解かなければ……。


「あのっ、朝香ちゃん、わたしは、べつに、その」

「ひょっとして、ななちゃんは、ハンド部の織部くんのことが好きなの?」


続きの言葉を忘れてしまうくらいには、衝撃的な一言だった。