「あのね、きょう、もちろん久遠くんとも仲良くなりたくて、いっしょに回らせてってお願いしたんだけど。でも、実を言うとね、ななちゃんと仲良くなりたい気持ちのほうが、大きかったの」
なにを言われているのか理解できなくて、ぽかんとしてしまう。
「“人を見た目で判断しない”久遠くんが、転校初日から信頼して、すごく仲良くしてる女の子だもん。絶対いい子に決まってる!って、確信してたんだ」
「そん、そんな……過大評価にも程があるよ」
「ううん、きょうずっと隣で過ごしてみて、その確信が、たしかな実感に変わったよ」
夢でも見ているのかと思った。
「ななちゃんと、できれば、これからもっと仲良くなりたいなぁって思ってる」
あまりにも信じられないのに、心の底から嬉しい気持ちがこみ上がってくるのをコントロールできないので、どんな顔をしたらいいのかわからなくなる。
感激しすぎて、視界がうっかり滲みそうになった。
でも、こんなことで泣いてしまったら、おかしなやつだと思われるのは明白なので、懸命に我慢した。
「……ありがとう。あのね、わたしも、朝香ちゃんと仲良くなれたらどんなに素敵だろうって、ずっと思ってたの」
なんだか顔が熱い。
こんな恥ずかしいせりふを、さすがに目を見て伝えられるほどの大胆さはなくて、さりげなく前方に視線をむけながら、少し早口でしゃべった。
わたしみたいなやつが、烏滸がましいことを言ってしまったかもしれない。
でも、すごく嬉しかったから、そんな気持ちを一方的に貰ってしまうわけにはいかない、と思ったのだ。



